天然石のブレスレットなどのアクセサリーの中で、天珠といわれる不思議な模様の描かれたビーズを見たことはありませんか?
見た目が渋いし、不思議な模様だし、一体何なんだ?と思ったことはありませんか?
そんな不思議な魅力がたっぷりの天珠について解説していきます。
↑白龍の描かれた天珠(私物)
天珠はチベット発祥のお守りです!
天珠と言われる2.5cm~3cmほどの不思議な模様の描かれているビーズは、もともとはチベットのお守りとして、古くから珍重されてきました。
伝説では、その昔チベット全域に疫病が流行ったとき、それを憐れんだ文殊菩薩が天界の花を摘みました。
それを地上に巻いたところその花びらが天珠となって、人々の災いを消した宝珠となった。
と言われています。
その歴史は古く、西暦700年代にチベット発の仏院が建てられたときに王からの供物としてささげられたと記述があります。
チベットでは【呪(ジュ)】が込められたビーズとしてジービーズと呼ばれています。
呪っていうとなんだか怖いけれど、要するに「魔法」という意味なのでしょうね。
近年のブームのきっかけは、大きな飛行機事故があったとき、生存者の中に「ジービーズのおかげで助かった」と言う人がいました。
それが報道されたのをきっかけに中国でブームになり、強力な力をもつと言われるアンティークのジービーズが高値で取引されてそうです。
アンティークのジービーズ自体はとても数が少ないので、なかなか手に入らないので高値になりがちです。
しかし、今は天珠の知名度が上がってきたので、模様のきれいに入った現代版の天珠が手に入りやすくなっています。
↑天然石の模様を生かした天珠
不思議な模様には意味がある。
天珠(ジービーズ)には様々な模様があります。
その数は70ほどあると言われています。
大抵が、○や線などの簡単な模様の組み合わせです。
中には菩薩さまや、龍や釣り針などの模様もあります。
その模様にはそれぞれ意味があります。
○の模様は目を表していて、目の数で意味合いが変わってきます。
古代の人は宇宙の原理を数字や陰陽五行で表そうとしていたので、この意味を当てはめていくのがとても面白かったりします。
例えば単眼模様は1なのですが、1は原初「始まり」の数字で、男性性を表します。
太陽ともつながる数です。
一切の願いが成就するように・・と込められています。
二眼模様は、異なるものの「調和」を意味し、女性性を表します。
月のイメージで和合やバランスをとる・・・と込められています。
私が個人的に持っている天珠は、蓮の花が描かれているものです。
これは泥の中からでもきれいな花を咲かせる蓮のように、どんなことがあっても自分の花を咲かせようと思って身に着けています。
こんな感じで、自分の願望や願いを込めた模様を選ぶのも、天珠の楽しみの一つだと思います。
↑蓮花模様の天珠(私物)
長い歴史のあるジービーズ、模様が入ったのは近年のもの。
実は模様が描かれているのは最近の技法で、メノウに特殊な技法で模様を焼き付けています。
焼き付けると言っても簡単な作業ではなく、石が熱に負けて割れたりしないようにする技術が必要です。
もし、天珠を選ぶ際は、しっかりと模様が入っているか、線は滲んでいないか?などきちんと確認してくださいね。
しかしもっと古代になると、そもそも焼き付け技術がなかったので、天然の石の模様を生かした天珠が主流だったのだと思います。
天然に現れた模様のインスピレーションも、本来の石そのものの楽しさがあります。
調べてみると天珠には第一次から第三次までの形態があったそうです。
第一次天珠が法螺天珠と呼ばれる、貝の化石が由来となったもの。
第二次天珠が蒙天珠と呼ばれる天然石をそのまま生かした天珠だということです。
メノウに模様を焼き付けたタイプは第三次天珠といわれ、こちらが現在では主流になっています。
↑法螺天珠
まとめ
私が、天然石をそのまま生かした天珠があるのを知ったのは最近です。
石の内側から浮き出るような模様を見ているだけでも、とてもワクワクします。
最初に天珠をつけようと思った人も、こんな気持ちだったのかなぁと思います。
今回は、この本を参考にさせていただきました。
古代から受け継がれている意匠や、宝石の魅力について、わかりますよ!
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