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  • 執筆者の写真佐藤 ひろみ

伊勢神宮の正式参拝とその手順について

【はじめに】


伊勢神宮は、正式には「神宮」といいます。


日本最古の神社であり、日本の宗教文化の源流とも言われています。


神宮には天照大神をお祀りする「内宮」と、豊受大御神をお祀りする「外宮」をはじめ、

摂社・末社など全部で125社の宮社があります。


内宮と外宮の本殿で参拝するとき、通常は御幌(みとばり)と呼ばれる、

白い布がかかっている前で参拝しますが、

御幌のさらに奥で参拝することのできる「正式参拝」と言われる方法があります。


これは、御垣内(みかきうち)参拝といわれ、通常は入ることが許されない、御垣の内側に入り参拝をすることができます。


神様の領域に近づくことが許されるので、更に凛としたご神気を感じられる方もいます。


ご神域に入るためには、ドレスコードに気を付けることなどの手順が必要になります。


先日、御垣内参拝をさせていただく機会がありましたので、参拝の流れやマナーについてご紹介します。




 


【御垣内参拝の準備】


御垣内参拝を行う前には、事前に準備が必要です。


 

1.特別参宮章をいただく

本殿に行く前に神楽殿にて、初穂料を奉納し「特別参宮章」をいただきます。


この参宮章では、当日限り外宮と内宮の一回ずつ特別参拝が可能となります。


また、伊勢神宮崇敬会というのがあり、こちらで個人会員になることでも正式参拝をさせていただくことができます。


1年の会費が5000円の正会員になると、会員になった日から1年間正式参拝をすることができるので、

1年のうちに何回も参拝できる方は、崇敬会に入会することをお勧めします。



私の家庭では夫が正会員となっているので、会員証の発行と共に、年に数回「みもすそ」と言われる会報誌が届きます。


正式参拝も一家4人で参拝させていただくことができました。

(本人・配偶者・子どもまで可能でした)



 

2.服装について

「男性はスーツにネクタイ着用。女性はフォーマルな服装」とあります。


実は、このフォーマルな服装というのが、どの程度のフォーマルなのかとても悩ましいと思うのですが、

私は、濃紺のシンプルなワンピースにジャケットを着用しました。

アクセサリーは真珠のネックレスとピアス。

靴はシンプルな黒い靴です。


夫は、黒の礼服に黒の革靴、ネクタイを着用しました。

(喪服ではないので黒のネクタイはNG)


子ども達は、それぞれジャケット付きワンピースと紺のワンピースです。

靴は運動靴でしたが、黒で新調したものでしたので、特に何も言われませんでした。



判定は、宮司さんにより厳しい方もいるとの話でしたが、今のところ、この服装でダメと言われたことはありません。



 

3.特別参拝可能時間

当面の間、正式参拝は午前8:30~午後4:30までとなっています。



並んでいる方がいらっしゃると、一組ごとではなく、まとめて入れられるので、

ゆっくり参拝されたい方は他に並んでいる方がいないときに、スッと受付に行かれるといいと思います。


 

4.天気

正式参拝は御垣内に入りますので、屋根のないところで参拝となります。


小雨の時に参拝させていただいたことはあるのですが、傘をさして入ることはできませんでした。


大雨の時などは、正式参拝はあきらめたほうが良いかもしれません。


参拝の時は晴れるといいですね。



 

【正式参拝の流れ】


1.正式参拝の受け付け


本殿前にの左手側に小さな建物があり、そこに宮司の方がいらっしゃいます。


そこで参拝の受付をされます。


参拝章の確認と、人数、どの都道府県から参拝に来たのかを聞かれます。



2.受付した建物の脇のスペースに通されるので、そこに手荷物等をおきます。



3.御垣内に入る前に、お清めをします。



4.塀の外側をまわり、本殿の敷地内に通されます。



5.白い玉砂利の場所まで促されるので、そこで二礼・二拍手・一礼します。


この本殿は個人的なお願いをすることはできません。日頃の感謝をお伝えする場となります。

また、宮司の人が待っていますので、長ーい間時間を取ろうとすると注意されます。



6.参拝が終わると、出口の方へ促されます。



7.最後に宮司の方にお礼をして、参拝終了です。




 


【参拝時のマナー】


神宮を参拝する際には、写真撮影の注意点など、マナーに気を配る必要があります。


・何をお願いするか

内宮・外宮の本殿では、基本的に個人的なお願い事をしません。


日頃、平和に暮らせることへの感謝の気持ちなどをお伝えする場となります。


私はいつもこの場に来ると、頭がまっしろになるので「この場に来ることができた

ご縁に感謝します」とお伝えします。


個人的になお願い事は、荒魂が祭られている別宮にてお伝えするといいでしょう。



・携帯電話について

また、本殿は写真などの撮影は禁止です。


できれば、神宮の領域に入ったら、神聖なご神気を感じるためにも携帯の電源は切ることをオススメします。



・ご神木、結界のあるものについて

境内にはとても立派なご神木もたくさんありますが「パワーをもらう」として、触るのは禁止です。


神宮内にはご眷属がいらっしゃって、ご神木を触ると怒りに触れるそうなのです。


私はそれを聞いてから、むやみやたらに触ることを慎むようになりました。


たしかに、神宮は神様の領域なので、それに対してやたらに触れたりするのは失礼にあたりますものね・・。


それから、「三ツ石」などもそうですが、結界が張ってあるものは神聖な場所だからです。


こういうものにむやみに手をかざしたりするのも良くありません。

(以前の私はしちゃってました~💦ごめんなさい)


すでに、神宮の領域に入っていることで、充分なご神気を受けていると思いますので、

いわれのあるものに触ろうが触るまいが、ちゃんと神様のご加護を受けています。


むしろ、失礼なことをしてご眷属を怒らせたら本末転倒です。


大切な人の家に上がらせてもらったら、失礼なことをしないのと同じように自分の行動を慎みましょう。




 


【御垣内参拝の意義】


御垣内参拝は通常の参拝よりも、事前に準備することがありますので、緊張感があります。


ですが、身なりを整え、正式参拝させていただくご縁ができたことを感謝することで、

清々しい気持ちと、神様とのご縁が深まったような、嬉しい気持ちを感じることができました。


西行法師が詠んだ歌に、こんなものがあります。


「何事のおわしますかは知らねども、かたじけなさに涙こぼるる」


この歌は、真言宗の僧侶だった西行が伊勢神宮に参拝したときに詠まれました。


仏教と神道との垣根をこえ、ありがたいと思っちゃう。


そこが神宮の素晴らしい所で、御垣内参拝をすることで、その気持ちがより理解できるようになると思います。




 


【まとめ】


伊勢神宮の御垣内参拝は正式参拝とも呼ばれ、一般参拝とは異なる正式な参拝方法です。


そのため、ドレスコードを守ること、初穂料などを準備することが必要となります。


緊張感がありますが、その分、神様とのご縁をいただける喜びを感じられる事でしょう。


伊勢神宮の参拝時には、マナーに気を配ることが重要です。


また、御垣内参拝を通じて、伝統や歴史、日本の神道文化を深く理解するきっかけとなります。


伊勢神宮を訪れた際には、ぜひ御垣内参拝をすることでご神気を感じ、この伝統を2000年以上も守り続けてきた、日本文化のすばらしさにも思いを馳せてみてください。




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